マナー検定に合格した外国人が空室率を下げる起爆剤になります!
「賃貸生活マナー検定」という試験があるのをご存じですか。
外国人の方が、日本で賃貸住宅を借りる支援をする検定試験で、日本での賃貸生活のルールや生活習慣を学ぶことができるものです。
多くの大家さんは、外国人に部屋を貸すことに難色を示します。その理由は、商習慣が違っていたり、賃貸契約内容を理解していなかったりする外国人を入居させたがために、さまざまなトラブルが起こるからです。
しかし、日本の生活習慣やマナーをしっかり勉強し、理解した外国人であればどうでしょうか。入居に問題はないはずです。
多くの外国人は自分が希望するお部屋を借りることが難しい状況にあります。だからこそ、外国人を受け入れることができれば、手早く空室をうめることもできるのです。
そこで活躍するのが、「賃貸生活マナー検定」なのです。
全6回の連載で、賃貸生活マナー検定協会の鴨打孝之理事に、検定試験の仕組みや魅力、上手な活用方法などをお話してもらいます。
アパートの空室率は上昇中です
アパートの築年数が古くなってきて、なかなか入居者がみつからない……と悩む大家さんは多いのではないでしょうか。
しかし、近年の空室率上昇の理由は、建物の古さだけではないようです。
平成27年に税制の改正があり、土地を相続するときには建物を建てた方が節税できることがわかりました。そのため、アパートの建設が急増し、入居者よりも物件の方が過剰になるという状況に陥りはじめたのです。これも空室率が上がる理由になっているようです。
【図2・図3 分析:株式会社タス】 木造・軽量鉄骨アパートの空室率の上昇が顕著
いずれにしろ、空室に悩む多くの大家さんは、部屋をリフォームしたり、賃料を下げたり、あれこれと手を打つのではないでしょうか。
しかし、今の時代、空室率を下げるもっと有効な手段があることを見落としていませんか。
それが、希望通りのお部屋を借りられなくて困っている多くの外国人です。
“外国人”と聞くと「部屋をきれいに使ってくれるだろうか」「ゴミ捨てのルールを守れるだろうか」「隣近所に迷惑をかけないだろうか」など、不安を持つ大家さんも多いでしょう。
実際に、生活習慣が違う外国人を入居させたことによるさまざまなトラブルもよく耳にします。
しかし、日本で賃貸物件を借りるうえでのルールや日本での生活習慣をきちんと理解している外国人であれば、どうでしょうか。
受け入れる大家さんも多いはずです。
そこで、マナーやルールをきちんと理解する外国人を見極める手立てとなるのが、「賃貸生活マナー検定」です。
マナーを知る外国人を見極める賃貸生活マナー検定
賃貸生活マナー検定は、日本で賃貸住宅を借りようと考える外国人の方に受けていただく検定です。
試験を受けるにあたってのテキストは、当協会のホームページから無料でダウンロードすることができます。テキスト及び試験内容は、次の5分野をそろえています。
・賃貸関連の用語
・賃貸契約の知識
・生活のルール(一般)
・生活のルール(ゴミ出し関連)
・公共設備(電気・水道・ガス)
試験の申し込みもホームページから行えます。受験料は6000円。
試験会場は全国に200カ所あり、希望の試験会場と日時でほぼ予約ができます。試験当日は、免許証やパスポートなどの身分証明書を持って、会場に向かっていただきます。
ちなみに試験は、さまざまな検定試験をコンピューターで運営する会社に試験監督を委託をしているため、全国で随時行うことができるようになっています。
試験は100点満点、約50問を60分で解答していただきます。
試験終了後に、「試験結果報告書」が試験監督官から渡され、合否結果はすぐに分かります。正式な「合格成績証明書」は、3週間ほどで協会から受験者に送付されます。
合否基準は次のとおりです。
上級認定:96~100点
中級認定:85~95点
不合格 :84点以下
ちなみに、テキストや試験問題は日本語で、すべての漢字にふりがなをふっています。
この検定試験は、きちんと勉強しなければ合格することはできません。そのため、合格した外国人は、日本での賃貸生活のマナーやルールを把握できており、さらに日本語のテストですから日本語も理解できている証になります。
もしも、賃貸生活マナー検定の合格成績証明書を持っている外国人が部屋を借りたいと現れたら……。きっと、心配なく賃貸契約を結べるのではないでしょうか。
大家さんがお持ちの物件の空室率を下げるのは、マナーを知る外国人なのです。
一般社団法人 賃貸生活マナー検定協会